南プロヴァンス珍道中 Part３ “Live To The Fullest “～素晴らしい出会い

様々な出会いがあるのも、旅の楽しみのひとつですが、今回の南フランス旅行でも、素晴らしいカップルと知り合う機会がありました。

リュベロン地方を中心に周ろうということで、Booking.com で見つけた、ゲストハウス、メゾン・バルトゥリ（Maison Bertuli、https://www.holidayprovence84.com/)

こちらののオーナーご夫妻が、ベストセラー作家、ピーター・メイルにも負けるも劣らない、興味深い生き方をされているエネルギッシュな方々でした。

オーナーは７０歳くらいのドイツ人、奥様は１０歳年下のフランス人のカップル。

ご主人は、風采が芸術家風だから、アート関係かと思いきや、ドイツでドクターをされていたそうで、３０年以上前に、前妻と共に、この広大なプロパティーを購入されたそう。

前妻が早くに亡くなり、現在のフランス人女性と再婚、５つ星を獲得したゲストハウスを共同運営されています。（ゲストハウスというカテゴリーでは、５つ星獲得するのは、大変難しいそうです。）

奥様は、大変多才で、１０代の頃は、考古学関係の仕事でイスラエルに住み、ヘブライ語も学んだそうで、パリのコンセルバトワールを卒業後、オペラ歌手として活躍、その後、アメリカ、香港、メキシコ・・などに居住しつつ、ライターとしてのキャリアも積んで来られた方。最近、フランス植民地時代のベトナムの女性達を題材にした小説が完成したそうで、現在、パリの出版社と、出版契約を結ぶ段階だそうで。

「みきは、何の仕事していたの？」と聞いてこられたので、「ピアノを教えていた」と答えると、「ちょっとこちらにいらして」と、敷地内のご自宅の広いリビングルームに通され、そこには、なんと、木目の美しいグランドピアノが！「色々あって、今は、もう歌わないの」とおっしゃりつつ、素敵なソプラノの声を少しだけ披露して下さいました。私も、傍らにあった楽譜で、ちょっとだけ演奏・・

お二人は、なんと、ピーター・メイルと、長年のお付き合いがあったそう。（ピーター・メイルは、同じ村に住んでいました）

そして、奥様、これまた、なんと、超有名な本「星の王子様」の作者、サン・テグジュペリ ともつながりがあるそうで！

ゲストハウスと同じ敷地内にある、古い建物が彼らの居住エリアですが、建物は、ナポレオン時代からあるものだそう（２５０年以上前！）。フランスのどこかで、この建物に関する、ナポレオン時代の署名入り文書が見つかったとか・・

レンタカーを借りるのを手伝って下さったお礼に、Oppede という、小さな美しい村にあるレストランでの夕食にお招きした（Le Petit Cafe des Jeanne）のですが、一見、明るくて、風光明媚なプロバンス、そして、美しい村・・のポジティブなイメージがクローズアップされがちな中、過去には、暗い悲しい歴史も色々あるとのことで、「美しさが気に入って、昔、このOppede に住んでいたけど、宗教弾圧で、血なまぐさい過去があるから、引っ越したのよ」。あらら・・

Oppede 村のレストラン　Le Petit Cafe des Jeanne

「今日は、敷地内の水が止まらなくなって、朝からずっと対応、明日も早起きしだよ。ロゼワインは、自分の働きのごほうびだ」などど言いながら、冷えたロゼを美味しそうに飲む、オーナーさん。奥様は、フランス人なのに、ワインは飲まないそうで・・。

お二人を見ていて、とっさに思い浮かんだ言葉は、” Live To The Fullest” （人生を精一杯生きる）。

人生の中で、様々な経験をされてきても、精一杯ポジティブに生きているのが伝わる、そんなお二人。

彼女の本が出版されたら、フランス語では読めないけど、Google translation 機能で、ぜひ、読んでみたい・・楽しみです。